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北海道岩見沢市4条東16丁目5番地
病気のはなし
内科の病気
COPDのはなし

COPDを正しく理解する:あなたの肺の健康を守るために

COPDってどんな病気?命を脅かす静かな呼吸器疾患】

 COPDは、慢性閉塞性肺疾患の略称で、肺の働きを徐々に低下させる怖い病気です。タバコの煙や有害な粉じんによって、肺の中の空気の通り道がどんどん狭くなっていき、また一部のガス交換する肺が壊されてしまいます。

 長年喫煙していた方は、特に注意が必要です。肺が徐々に痛められ、呼吸がしづらくなっていくのです。

COPDの症状:早期発見のサインを見逃すな!】

  COPDの初期症状は、実はとてもわかりにくいものです。主な症状は次のようなものがあります:

  • 少し歩いただけで息苦しくなる
  • 朝方、痰の多い咳が続く
  • 呼吸をすると、胸に重みを感じる
  • 風邪やインフルエンザにかかりやすい

 これらの症状は、最初は軽く感じられるため、多くの人が見過ごしてしまいます。しかし、放っておくと病気はどんどん進行してしまいます。

COPDを予防・改善する生活習慣】

 幸いなことに、COPDには予防や症状改善の方法があります:

  1. 禁煙することが最も重要です。今すぐタバコをやめることで、肺の回復を助けられます。
  2. 規則正しい運動は、肺の機能を維持するのに効果的です。軽いウォーキングや水泳など、無理のない運動を心がけましょう。
  3. バランスの取れた栄養を摂ることも大切です。タンパク質や抗酸化ビタミンを意識した食事を心がけてください。
  4. 定期的に健康診断を受け、早期発見・早期治療に努めましょう。

 呼吸器内科専門医からのアドバイスは、自分の肺の変化に敏感になることです。少しでも異変を感じたら、すぐに医療機関に相談してください。

 COPDは完治が難しい病気ですが、早期発見と適切な治療、そして生活習慣の改善によって、進行を遅らせることができます。あなたの大切な命と健康を守るため、今日から意識を高めていきましょう。

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間質性肺炎のはなし

間質性肺炎を正しく理解する

【間質性肺炎の正体:目に見えない肺の変化】

 間質性肺炎は、肺の奥深い組織に起こる、厄介で深刻な病気です。肺の中にある「間質(かんしつ)」と呼ばれる組織に炎症が起こり、徐々に肺の働きを低下させていきます。

 肺は、私たちが呼吸する際に酸素を取り入れる大切な臓器です。その肺の中にある細かな組織が傷つくことで、酸素を体に届けることが難しくなるのです。まるで、網目のような肺の組織に、徐々に傷や変化が生じているような状態と考えてください。

【間質性肺炎の原因:多様で複雑な発症メカニズム】

 間質性肺炎の原因は、実はとても複雑です。いくつかの主な原因を挙げてみましょう:

  • 原因不明の特発性間質性肺炎
  • 自己免疫疾患による影響
  • 薬の副作用
  • 放射線治療の影響
  • 環境汚染や有害物質への長期暴露

 これらの要因が単独、あるいは複合的に作用して、肺の間質に炎症を引き起こします。遺伝的な要因や生活環境も大きく関わっていると考えられています。

【間質性肺炎と向き合う:症状と対処法】

 間質性肺炎の初期症状は、非常に分かりにくいものです。主な症状は次のようなものがあります:

  • 乾いた咳が続く
  • 息切れがする
  • 体のだるさを感じる
  • 指先が太鼓のバチのように膨らむ(ばち状指)

 症状が進行すると、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。早期発見が何より重要なのです。

治療は、原因によって大きく異なります。ステロイド薬や免疫抑制剤の投与、酸素療法、そして最悪の場合は肺移植が検討されることもあります。

 呼吸器内科専門医として、私からのアドバイスは明確です。少しでも呼吸に違和感を感じたら、すぐに医療機関を受診してください。間質性肺炎は早期診断と適切な治療が、その後の経過を大きく左右します。

 あなたの健康と呼吸する喜びを守るため、肺の変化に敏感になりましょう。定期的な健康診断と自分の体調への注意が、命を守る最大の武器となります。

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気管支喘息のはなし

気管支喘息の正しい理解と向き合い方

【気管支喘息の正体】

 気管支喘息は、肺の中の空気の通り道である気管支が炎症を起こし、呼吸がしにくくなる病気です。まるで細い道に見えない壁ができ、空気の通行を妨げるようなイメージです。

気管支の粘膜が腫れたり、粘液が過剰に分泌されたりすることで、呼吸が苦しくなります。軽い症状から重い発作まで、その状態は人によってさまざまです。

【喘息のトリガー:発作を引き起こす隠れた原因】

 喘息の発作は、様々な要因によって引き起こされます。主なトリガーは次のようなものがあります:

  • ハウスダスト(家のほこり)
  • 花粉やペットの毛
  • タバコの煙
  • 冷たい空気
  • 激しい運動
  • ストレス
  • 特定の食べ物やくすり

 これらの刺激によって、気管支が過剰に反応し、狭くなったり、粘液が増えたりします。個人によって、反応する刺激は異なります。

【喘息と向き合う:症状と最新の治療法】

 喘息の典型的な症状は次のようなものです:

  • ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音
  • 息切れがする
  • 胸が締め付けられるような感覚
  • 夜間や早朝の咳

 最新の治療法は、症状をコントロールし、日常生活の質を改善することに重点を置いています。吸入薬を中心とした治療が主流で、次のような方法があります:

  1. 短時間作用型の吸入薬(発作時に使用)
  2. 長期管理用の吸入薬
  3. アレルギー治療薬
  4. 生活環境の改善

 難治性喘息の方への治療薬として、最近は生物学的製剤の注射薬が使用され、呼吸器症状や日常生活の質の改善がみられています。呼吸器内科専門医として、最も大切なのは早期発見と適切な治療です。喘息は完治が難しい病気ですが、正しい治療とセルフケアで、ほとんどの人が普通の生活を送ることができます。

 定期的な検診と、自分のトリガーを知ることが、喘息とうまく付き合う秘訣です。あなたの呼吸する喜びを、いつまでも守り続けましょう。

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石綿関連肺疾患のはなし

石綿(アスベスト)から身を守れ:静かに忍び寄る健康被害の実態

【石綿(アスベスト)の正体:目に見えない健康リスク】

 石綿(せきめん)、通称アスベストは、かつて建築や工業製品で広く使用されてきた鉱物繊維です。驚くほど丈夫で熱に強い特性を持ち、多くの産業で重宝されてきました。

 しかし、その便利さの裏には恐ろしい健康被害が隠されていたのです。目に見えない細い繊維が、私たちの肺に深刻な障害をもたらします。まるで目に見えない針が肺を傷つけているようなイメージです。

【石綿関連疾患の種類:忍び寄る健康破壊のメカニズム】

 石綿が引き起こす主な疾患は次のとおりです:

  • 石綿肺(せきめんはい)
  • 肺がん
  • 中皮腫(ちゅうひしゅ)
  • びまん性胸膜肥厚
  • 良性石綿胸水

 これらの病気に共通するのは、長期間にわたって石綿に曝露することで発症するということです。特徴的なのは、曝露から発症まで2040年もの長い潜伏期間があることです。

 主なリスクグループは:

  1. 建設作業員
  2. 造船所作業員
  3. 電気工事士
  4. 自動車整備士
  5. 解体作業員

【石綿関連疾患と向き合う:早期発見と予防の重要性】

 石綿関連疾患の主な症状は:

  • 息切れ
  • 持続的な咳
  • 胸の痛み
  • 体重減少
  • 呼吸時の異常な音

 予防と対策は以下が重要です:

  1. 職場での石綿ばく露防止
  2. 定期的な健康診断
  3. 適切な防護具の使用
  4. 石綿を含む建材の適切な処理

 呼吸器内科専門医として、最も大切なのは予防と早期発見です。過去に石綿を扱う仕事に従事していた方、または石綿が使用された建物に長期間いた方は、必ず定期的な健康診断を受けてください。

 現代では石綿の使用は法律で厳しく規制されていますが、過去にばく露した方々の健康を守ることが社会全体の責任です。あなたの大切な命と健康を、正確な知識と予防意識で守りましょう。

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肺炎のはなし

肺炎から身を守る:あなたと大切な人の健康を守るための完全ガイド

【肺炎の正体:静かに忍び寄る感染症の脅威】

 肺炎は、肺の中にある空気の袋(肺胞)に炎症が起こる病気です。細菌やウイルス、真菌(カビの一種)などが原因で、肺の奥深くで激しい戦いが繰り広げられています。

 健康な肺は、呼吸とともに酸素を体に届ける大切な臓器です。肺炎になると、この酸素の通り道がうまく機能しなくなり、呼吸が苦しくなります。まるで肺に分厚い霧がかかったような状態と考えてください。

【肺炎の種類と感染経路:忍び寄る脅威の正体】

 肺炎には、様々な種類があります。主な分類は次のとおりです:

  • 細菌性肺炎
  • ウイルス性肺炎
  • 真菌性肺炎
  • 誤嚥性肺炎

 感染経路は主に3つあります:

  1. 飛沫感染(せきやくしゃみで広がる)
  2. 接触感染(汚染された手や物を介して)
  3. 血流を通じた感染

 特に高齢者や乳幼児、免疫力の弱い方は注意が必要です。

【肺炎と向き合う:早期発見と効果的な治療】

 肺炎の代表的な症状は次のようなものです:

  • 高熱(38度以上)
  • 激しい咳
  • 胸の痛み
  • 息切れ
  • 痰の色の変化(黄色や緑色)

 治療は、原因によって大きく異なります:

  • 細菌性肺炎:抗生物質
  • ウイルス性肺炎:対症療法と休養
  • 重症例:入院での集中治療

 予防が何よりも大切です。以下の対策を心がけてください:

  1. 手洗いとうがいの徹底
  2. インフルエンザワクチンの接種
  3. 肺炎球菌ワクチンの検討
  4. バランスの取れた食事と十分な睡眠
  5. 禁煙
  6. RSウイルスワクチンの検討

 呼吸器内科専門医として、最も重要なのは早期発見と適切な治療です。微熱や軽い咳を軽視せず、継続する症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

 あなたと大切な人の健康を守るため、肺炎に対する正しい知識と予防意識を持ちましょう。

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肺癌のはなし

あなたの命を守る:肺がんの正しい理解と希望の医療

【肺がんの正体:忍び寄る細胞の反逆】

 肺がんは、肺の中で細胞が異常に増殖し、周囲の組織を破壊していく恐ろしい病気です。健康な細胞が、何らかの原因で制御を失い、勝手に増殖し始めるのです。

 まるで、体の中で小さな反乱が起きているようなイメージです。通常、細胞は秩序正しく生まれては死んでいきますが、がん細胞はその仕組みから外れてしまいます。

【肺がんのリスクファクター:忍び寄る危険な要因】

 肺がんの主なリスク要因は:

  • 喫煙(最大のリスク)
  • 受動喫煙
  • 石綿(アスベスト)へのばく露
  • 放射線被ばく
  • 大気汚染
  • 遺伝的要因

 特に喫煙は、肺がん発症リスクを劇的に高めます。喫煙者は非喫煙者と比べて、肺がんになるリスクが10倍以上も高くなるのです。

 興味深いデータもあります:

  1. 日本人の肺がん死亡者数は年間約7万人
  2. 男性では依然としてがん死亡の第1
  3. 女性でも増加傾向にあります

【肺がんと向き合う:早期発見と最新治療】

 肺がんの初期症状は非常に分かりにくいものです。主な症状は:

  • 続く咳
  • 息切れ
  • 胸の痛み
  • 血痰
  • 原因不明の体重減少

 現在の治療法は日々進歩しています:

  1. 手術療法
  2. 放射線治療
  3. 化学療法
  4. 免疫療法
  5. 分子標的治療

 呼吸器内科専門医として、最も大切なのは早期発見です。以下の予防策を心がけてください:

  • 禁煙
  • 定期的な健康診断
  • CT検査の活用
  • バランスの取れた食生活
  • 適度な運動

 肺がんは決して絶望的な病気ではありません。最近の分子標的薬や免役チェックポイント阻害薬などの医学の進歩の導入により、早期発見され、適切な治療を受ければ、治癒の可能性は大きく広がっています。

 あなたの命は何よりも大切です。健康に対する意識を高め、前向きに、そして希望を持って向き合いましょう。

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長引く咳

いつもは数日で治まるところの咳が長引くことはありませんか。カゼのウイルスをはじめ、通常のウイルス感染にともなう咳の場合は長くても2週間で自然に治まると言われています。百日咳でも8週間と言われていますが、そこまで続く方は少数でしょう。2週間を超えて咳が続く場合は、結核の可能性も出てきますのでぜひ医療機関を受診しましょう。
診断は、まずレントゲン写真を撮影して肺炎や慢性の感染症である肺結核、タバコ病である肺気腫やCOPD、また間質性肺炎、さらには肺がんなどがないかを判断します。これらの病気はレントゲン写真に陰が出てきますので、それにて診断がつきます。
肺に陰がないにもかかわらず、咳が続く場合には次の段階の検査を行います。肺に陰がないものの中で、長引く咳の原因として頻度が高いものに咳喘息があります。喘息といいますとゼーゼー言いながら呼吸をする発作をおこす病気というイメージがありますが、咳喘息は市販の咳止めでは効かない咳がずっと続いて、ゼーゼーしない喘息です。呼吸機能検査でも診断がつきにくいなど、診断に苦慮します。当院では、呼気中の一酸化窒素濃度(NO検査)や呼吸抵抗を測る検査で診察当日に喘息を診断できる装置を備えております。
また、副鼻腔炎や鼻アレルギーに伴う鼻汁で気道が刺激される慢性咳も多く見られます。当院では耳鼻科と協力しながら診療を行っていきます。さらに、逆流性食道炎に伴う咳も知られています。胸やけや逆流症状を聞いて胃内視鏡を組み合わせて診断します。胃酸分泌を抑制する薬が有効です。
それ以外にも鑑別すべき疾患がありますが、当院には咳の原因を鑑別する検査機器が揃っており、慢性の咳が持続する際にはぜひ受診してみてください。



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慢性呼吸不全と在宅酸素療法

呼吸不全とは動脈血ガスが異常値を示し、生体が正常な機能が営めない状態であり、室内空気呼吸時の動脈血酸素分圧(PaO2)が、60Torr以下となる呼吸器系の機能障害、またはそれに相当する状態です。慢性呼吸不全とは呼吸不全の状態が少なくとも一か月続く状態です。動脈血炭酸ガス分圧が、45Torr以下はI型呼吸不全、45Torrを超えるものはII型呼吸不全に分類されます。動脈血酸素分圧60Torrはパルスオキシメーターで90%に相当します。慢性呼吸不全の治療の一つに在宅酸素療法(home oxygen therapy:HOT)がありますが、1985年社会保険適応が認められました。1994年に肺高血圧に、2004年に慢性心不全に適応拡大され、患者数は急激に伸びました。2012年の患者数は15.6万人と推計されます。原因疾患としては、COPD(慢性閉塞性肺疾患)が最も多く、全体の45%を占め、間質性肺疾患や肺癌が増加傾向にあり、肺結核後遺症は経年的に減少しています。HOTの効果としては、①症状(呼吸困難)の軽減、QOLの向上、生命予後の改善②低酸素血症および組織低酸素の改善③低酸素性血管収縮の防止による肺高血圧の予防です。社会保険の適応基準では、PaO2 55Torr以下の者、及びPaO2 60Torr以下で、睡眠時または運動負荷時に著しい低酸素血症を来す者で医師がHOTを必要と認めたものです。当院ではHOT導入時はクリティカルパスを使用しており、効率よく短期間の入院でHOT導入が可能です。息切れで困っている患者さんがいらっしゃいましたら、ご相談下さい。

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