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- 当院の心臓リハビリテーション
センター長 本居 昂 医師(兼務)
副センター長 田名邊 亮 主任理学療法士
村田 真弓 看護師
- 急性心筋梗塞
- 狭心症
- 開心術後
- 大血管疾患 (大動脈解離、解離性大動脈瘤、大血管術後)
- 慢性心不全...以下のいずれかを満たす場合
①左室駆出率 40%以下
②最高酸素摂取量が基準値80%以下
③BNP 80 pg/mL以上 または NT-proBNP 400 pg/mL以上 - 不整脈・デバイス植込み後で心不全や運動機能低下ある状態
- 末梢動脈閉塞性疾患で間欠性跛行 (歩くと下肢の症状が悪化し、休むとやわらぐ) を呈する状態
健常な方でも心臓病患者さんでも、運動能力が高いほど生存率が高いことが知られており1)、心臓病患者さんの運動耐容能を良好に維持することが元気に長生きするために重要です。
上記の図ですが、心筋梗塞後の患者さんに心臓リハビリを行わなかった場合は一般住民と比較して生存率が低下していますが、心臓リハビリプログラムに継続的に参加した場合には一般住民の方と予後に違いがないことが示されています2)。カテーテル手術 (PCI) を受けて冠動脈の狭窄や閉塞が解除されることが治療の終わりではなく、その後の心臓リハビリをいかに適切に実施できるかが非常に重要です。
上記の図は心不全と運動療法の関連を報告したものです。運動療法を実施していない患者さんの生存率は4年後で約40%と低く、一方で運動療法を実施した心不全患者さんでは4年生存率が約80%と大きく改善していることがわかります3)。
当院では理学療法士による有酸素運動、レジスタンストレーニング(いわゆる筋トレ)をプログラムの中心とし、入院患者さんを対象として作業療法による日常生活動作、趣味活動など楽しみの発見、認知機能面の評価と対応などの取り組みを行っています。詳細は中央リハビリテーション部の紹介ページをご参照ください。
また、当院の心臓リハビリテーションは、保険診療制度に従って5か月間の標準プログラムで実施しています (心臓リハビリを継続することにより改善が期待できると判断する場合には、延長して実施することもあります)。当院での外来リハビリ通院が終了した患者さんは、非監視下にて在宅で運動療法を継続する必要があります。自宅や市内の運動施設などでも安心して運動療法を継続できるように、心臓リハビリ外来などで指導を行っています。
- N Engl J Med. 2002; 346: 793-801
- J Am Coll Cardiol 2004; 44: 988-96.
- Circulation 1999; 99: 1173-1182.
栄養管理は心臓リハビリテーションにおいて運動療法とともに重要です。しかし、心臓リハビリテーション=運動療法 として実施されている場合が多く、適切な運動プログラムが行われていても栄養管理が不十分であればせっかくの運動療法の効果が十分に発揮できません。
狭心症や心筋梗塞の患者さんでは、再発予防のために冠危険因子(高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満)の改善が目的となります。また心不全患者さんに関連して、超高齢化社会に伴って、筋肉量減少を呈するサルコペニアが注目されています。サルコペニアは加齢に伴う一次性サルコペニアと、心不全などの疾患に伴う二次性サルコペニアがあり、高齢心不全患者では両者を合併します。心不全の患者さんでは過度な低体重が予後を悪化させることが知られています。
当センターでは従来の個別栄養指導以外に、2018年10月から心臓病集団栄養指導を開始しました。様々なアプローチを用いて、高血圧や糖尿病患者さんの心臓病予防や、心臓病患者さんへの再発・悪化予防を目指しています。詳細は栄養管理室の紹介ページをご参照ください。
外来リハビリテーション通院患者さんを対象として、2019年2月から看護面談を開始します。
医師による外来診療では診察時間も限られており、看護面談を5か月間プログラムの中で2~3回、1回20分程度を行うことで、適切な生活指導・患者教育を行います。患者さんが自分の疾患のことをどれだけ理解できているか、冠危険因子の管理について知っているか、心不全患者さんが日常生活をセルフモニタリングできているか、心臓リハビリテーション5か月間プログラムの栄養指導やCPXなどが適切に実施できているかなどに関わります。詳細は外来看護師の紹介ページをご参照ください。
外来リハビリテーション患者さんを対象に右記のパンフレットを配布しています。約40ページの中に、医師、看護師、管理栄養士、理学療法士がそれぞれの視点から開設したオリジナルの内容です。患者教育の一環として使用しています。 |
2018年10月から開始しました。目的は、心臓リハビリ通院患者さんに心臓病について知ってもらうことで適切な管理を目指すことです。参加無料で、岩見沢市の健康ポイント事業と連携しています。 月に1回1時間程度、感染対策をして、内容を少しずつ更新しながら、各月で2テーマづつ (各30分) の講演を行っています。詳細は心臓リハビリセンターでご相談ください。 |
心臓病教室の様子です |
毎週水曜日の午後に、当センター長の小原医師が行っています。完全予約制で、1人あたり最大20分程度の診察時間を設けています。内容としては、
- 心臓病で当院・他院に通院しており、栄養指導や運動療法などの包括的心臓リハビリテーションに興味がある方 (定期通院はかかりつけの先生にて継続となります)
- 心臓病と言われたことはないが、息切れや胸の痛み、疲れやすさなどがあり、心臓の検査や運動能力の検査を希望される方
- 当院の心臓リハビリテーションに通院している方で、現状評価や在宅・民間トレーニング施設への移行を検討している方
- 心臓病などがあり在宅や民間トレーニング施設で運動療法を行っており、心肺運動負荷試験による評価を希望される方
となります。
心臓リハビリ外来の受診を希望される患者さんは、当院地域医療連携室 (0126-22-1300 内線497) に電話連絡いただくか、直接循環器科外来の窓口に来ていただき予約をお願いします。
病院やかかりつけの先生など医療機関の方は、FAX用紙に必要事項を記載いただくか、または診療情報提供書を記載していただき、当院地域医療連携室 (FAX 0126-22-7771) まで送っていただきましたら、受診日時を15分程度で返信いたします。
15分を過ぎても返信がない場合は、地域医療連携室まで御連絡ください。