循環器疾患は急性期から慢性期まで幅広く、また緊急度・重症度の高い患者さんがいます。循環器外来では医師の診療の前に看護師がかかわり、緊急度・重症度を判断し速やかに医師と連携をとり、患者さんが安心して診療が受けられるよう努めております。患者さんとの信頼関係を大切にし、急患対応、診療介助の他、冠動脈CTをはじめとする各種外来検査、心臓カテーテル検査、心臓リハビリテーションの看護面談、心臓病教室と多岐にわたって携わっています。 |
心筋梗塞や狭心症の患者さんは、また再発するのではないかという不安や、どのくらい動いて良いのかわからないといった疑問をお持ちの方もいらっしゃいます。また、何らかの原因で急激に症状が悪化し、急性心不全、慢性心不全急性増悪となって救急搬送されてくる患者さんも少なくありません。 心肺運動負荷試験など医学的な評価を行い、安全に心臓リハビリテーションを積極的に行っています。心不全・心臓リハビリテーションセンターにおいて、質の高い心臓リハビリテーションプログラムを提供できるよう、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士、薬剤師、検査技師、医療ソーシャルワーカーなど多職種が協働しながら取り組んでいます。 |
看護面談は1~2か月に1回、1回20分程度の時間を設けて、担当看護師が患者さんと1対1、または家族も一緒に面談を行います。患者さん一人一人の全体像が把握できるように、患者情報シートを作成しています。血液検査や心エコー検査、心肺運動負荷試験などの各種検査結果を基に、看護面談を通して日常生活指導を行いながら、疾患の理解も深めていただきます。また、ストレスチェックを行い心のケアにも取り組みます。患者さんと一緒に日常生活を見直し、生活に合わせた支援を考え、心臓リハビリテーションが継続できるように支援させていただきます。 |
5か月プログラムが終了した患者さんには、今後の励みとなるように修了証書を渡しています。 |
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心臓リハビリテーションの最終目標は、患者さん自身が心臓病に対する知識や、日常生活の注意点などを理解していただき、不安のない、いきいきと元気に生活を送ることと考えます。看護面談において、家庭や地域社会での生活に視点をもち、一緒に日常生活を見直し、心臓病とうまくおつきあいしながら、健康で長生きができるよう、そして、患者さんの思いを尊重し、その人らしく生活できるよう、共に考え、寄り添う看護を目指しています。 |
日本人の「平均寿命」が過去最高を更新しています。寿命には、もう一つ「健康寿命」があり、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活ができる期間」と定義されています。この「健康寿命」と「平均寿命」との差は約10年以上あります。
平均寿命の延びとともに、がん・心臓病・脳卒中・糖尿病などの増加が問題となっています。日本人の4人に1人は動脈硬化による心臓や脳の病気で亡くなっています。
厚生労働省は「健康寿命を伸ばしましょう。」をスローガンに人生の最後まで元気に健康で楽しく毎日が送れることを目標にしています。運動、食生活、禁煙を柱に取り組んでいます。
心臓リハビリテーションの目的は、単に自宅退院、日常生活行動の自立や復職にあるだけではありません。心臓病の予防、再発防止、生命予後の延長などから、健康寿命を伸ばすことへつながります。 心臓リハビリテーションにより運動能力が増加し、精神的に自信がつき生活が快適になることがわかっています。また、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満にも良い効果があり動脈硬化の進行抑制が期待できます。 「心リハで健康で長生き!」を目指しましょう! |
心臓リハビリテーションは、心臓病をもつ患者さんが受ける運動療法、栄養指導、生活指導を含めた治療プログラムです。病気に対する知識や薬、食事、日常生活の注意点などに至るまで、心臓病教室、看護面談などを通して理解をしていただき、心臓病とうまくおつきあいしながら、健康で長生きができるようにサポートしていきます。
軽症の慢性心不全患者さんでは水分制限は一般的には不要といわれています。
入院を繰り返しているような重症の心不全患者さんは水分制限が必要となりますので医師に確認してください。
水分制限のない方は、運動や入浴前後は水分をこまめにとるようにしましょう。
風邪は心臓病悪化の引き金となり注意が必要です。
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入浴は血管が拡張して心臓が楽になり、気分的にもリラックスでき、心不全の患者さんにもおすすめです。 熱いお湯は心臓に負担がかかり心拍数や血圧を上昇させます。
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- タバコに含まれるニコチンが交感神経を刺激することで血圧や脈拍を上げ、動脈硬化や心臓病の原因となります。
心臓病だけでなく、がん、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、消化管潰瘍などさまざまな疾患と関連があります。 - 喫煙している方は必ず禁煙しましょう。
喫煙中の方は禁煙外来の受診をおすすめします。
受動喫煙にも気を付けましょう。 タバコの煙は主流煙(肺の中に吸収される煙)と副流煙(火のついた先端から立上がる煙)とに分けられます。 副流煙はフィルターを通らないため、主流煙の2~4倍以上の有害物質が含まれています。 |
適量を守りましょう。 アルコールは1日の目安として、日本酒で1合(180ml)、ビールで大瓶(633ml)程度に抑えましょう。 |