循環器科病棟(7・8病棟)

7・8病棟は、心筋梗塞や狭心症、心不全、弁膜症、心筋症、不整脈、末梢血管疾患などを持つ患者さんが入院しています。循環器疾患は緊急性の高い疾患が多く、常に緊張感を持ちながらチームワークを大切に、入院患者さんの看護を行っています。

心臓カテーテル検査や、心臓超音波検査や核医学検査などの放射線画像検査、心肺運動負荷試験などを行い、心機能・身体機能を評価します。これらの検査結果に基づいて、薬物治療、経皮的冠動脈形成術 (PCI)、ペースメーカー移植術、包括的心臓リハビリテーションなどの医療を提供しています。

南空知地域の高齢化に伴い、90歳を超える患者さんも多く入院しています。心不全・心臓リハビリテーションセンターの取り組みとして、多職種連携に力を入れています。私たち看護スタッフは、医師や理学療法士、作業療法士、管理栄養士、薬剤師、医療ソーシャルワーカーなどと連携して取り組んでいます。長く住み慣れた自宅で患者さんが元気に生活できるように、安全な早期離床を支援し、心臓に負担がかからないように日常生活の援助を行い、患者さんに合わせた退院支援・退院調整を行っています。退院後の狭心症・心筋梗塞の再発予防や、心不全の再入院予防のために、パンフレットを用いた患者教育を行い、安心して退院していただけるように日常生活指導を実施しています。

心臓病とストレス

現代社会は経済的に豊かになり、科学技術も高度に発達しました。より便利で快適な生活が可能となりましたが、その反面で「ストレス社会」ともいわれています。情報化社会の影響により、スマートフォンなどでメールやSNS (Facebook, Twitterなど) をリアルタイムで見ることができるようになりましたが、必要以上の情報にさらされることでストレスに感じることを多く経験していると思います。

このような情報社会、管理社会以外にも、高齢化社会によるストレスもあります。医学の進歩により平均寿命が長くなりましたが、核家族化の進展による孤独感や、老々介護の負担や不安感、死への不安などにさらされることも多いかと思われます。

精神的ストレスと心臓病は密接に関連しています。ストレスは自律神経である交感神経を活性化して血圧や心拍数の上昇などを引き起こし、心臓病の発症や増悪の引き金になります。心臓リハビリテーションは運動療法が中心ではありますが、看護面談による患者教育やカウンセリングも運動療法と平行して行うべきとされており、当院でも精神的ストレスに対するケアに取り組んでいます。

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アドバンスケアプランニングについて

アドバンスケアプランニング (Advance Care Planning: 以下ACP) とは、将来の意思決定能力の低下に備えて、あなたの大切にしていることや望み、どのような医療やケアを望んでいるかについて、自分自身で考えたり、あなたの信頼する人たちと話し合ったりすることです。遺言書とは違い、ACPは一人で決めるものではなく、話し合う相手が必要となります。

循環器内科は生死に関わることが多い診療科であり、患者さんの人生の最期をこれまでに多く経験してきました。しかし、患者さんの最期の生き方が定まっていない、もしくはご家族と共有されていないために、ご本人が本当は望んでいないかもしれない、苦痛を伴うような集中治療、延命をせざるを得ないこともあります。

命の危険が迫った状態になると、約70%の方が医療やケアなどを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることができなくなると言われています。厚生労働省が2017年に実施した意識調査では、人生の最終段階の治療やケアについての希望を書面に書いて残しておくことについては60%の人が賛成していますが、実際に書面に残したり、家族と話し合いをしたりしている人は全体の3%しかいないことがわかりました。話し合ったことがない理由として、「話し合うきっかけがなかったから」が全体の56%を占めており、医療関係者からもACPの必要性をお話しする必要があると考えています。私たち看護スタッフは医師らと共に患者さんに寄り添い、ACPに必要な情報を提供し、誰もが必ずおとずれる最期をより良い形で迎えられるように支援したいと思います。

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