独立行政法人労働者健康安全機構  北海道中央労災病院

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  • 北海道岩見沢市4条東16丁目5番地

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病気のはなし

歯と口の病気

口腔癌と前癌病変

 口腔癌は、癌全体の2%程度ですが、ここ数年、高齢化が進んでいるため、発生数は増えています。ただ、口腔癌は早期に治療すれば、ほぼ治ります。また、口の中は鏡で見れば、大抵異常が分かりますので、早期に発見することができます。
 それでは、どのような異常が口腔癌と考えられるのでしょうか?先ず、びらん、潰瘍です。口の中の舌や、歯肉、口の底(口腔底)、頬の粘膜、上あごの天井(口蓋)、唇などにできた、びらん、潰瘍で2週間以上治らないものは要注意です。単なる口内炎であれば、2週間以内でほぼ治ります。また、腫れ、しこりも要注意です、先ほどの部位や、顎の骨、頬、顎の下、首などにできた、腫れやしこりがなかなか治らない時は癌の疑いが有ります。さらに、歯のぐらつきが続いている、口の中から出血がみられる、頬や舌が動かしづらい、入れ歯が合わなくなった、などの症状が有る場合も要注意です。
 次に、放置すると癌になる危険が有る病変、すなわち、前癌病変も口の中にできます。以下のものが、前癌病変の主なものとされています。
 白板症:これはぬぐっても取れない、白色の板状ないし、斑状の病変です。
 紅板症:境が明らかで、鮮やかな赤い、ビロード様の斑状の病変です。
 口腔扁平苔癬も稀ですが、癌化することがあります。これは、口の中の粘膜が、線状、網状、レース状の白色斑と、その周りや内部に、赤い斑状を呈するものです。
 口の中が何か変だ。特に、2週間以上治らない、びらん、潰瘍、腫れ、しこり、などは要注意です。このような症状が有る場合は、当科を受診することを、お勧めいたします。

歯科口腔外科 平野正康

口腔乾燥症

 唾液が減少すると口腔が乾燥した状態(ドライマウス)となります。乾燥感だけでなく、口の中が痛い、ヒリヒリする、ネバネバする、食べにくい、飲み込みにくい、話しにくい、味が分かりにくい、などの症状を感じることもあります。口腔が乾燥すると虫歯、歯周病、口腔カンジダ症、口臭などが発症・悪化しやすくなります。口の中にはたくさんの常在菌(細菌やカビなど)が生息しており、その中には虫歯や歯周病などと関係する細菌もありますが、唾液中には抗菌作用のある物質が含まれており、それらをある程度抑制しています。口腔乾燥症の原因には以下のようなものがあります。
 シェーグレン症候群は唾液腺の機能が低下する代表的な疾患です。病原体に作用すべき免疫が自分の体の一部である唾液腺や涙腺を攻撃してしまい、唾液腺・涙腺の機能が低下して唾液や涙の分泌が減少します。40~60歳代の女性に発症しやすく、女性が男性の約14倍と圧倒的に多いのが特徴のひとつです。
唾液分泌は自律神経(交感神経と副交感神経)によって調節されていますが、唾液分泌は主に副交感神経により促進されます。薬の副作用によって副交感神経が抑制され、唾液分泌の減少が起きることがあります。
 口呼吸をしている場合は、口の中の水分の蒸発が多くなり口腔乾燥が起こります。糖尿病、発熱、飲酒、運動などによる脱水でも口が乾きやすくなります。
 口腔乾燥でお困りの方は、当科を受診してみて下さい。

歯科口腔外科 堀川雅昭

骨の薬と顎骨骨髄炎

 がんの骨転移や骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の治療薬として、抗がん剤(ゾメタ、ランマーク注射薬)、ビスフォスフォネート薬(ボノテオ、ボナロン、ベネット、リカルボン経口薬)が多くの患者さんに使用されています。最近、これらの薬剤と顎骨骨髄炎や顎骨壊死との関連が報告され、抜歯時に発症することが多いとされています。顎骨壊死は重い副作用の一つで、口の中に腐骨が露出したままの状態が続きます。
 当科では、このような薬剤関連顎骨骨髄炎や顎骨壊死に関して、口腔外科学会などから公表されているガイドラインに基づいて、予防、診断、治療を行っています。骨粗鬆症薬については、内科、整形外科などの処方医と連絡をとって休薬を依頼します。勝手に患者さんが自己判断で休薬してしまうのは危険です。抜歯などの手術時期は慎重に判断し、安全に抜歯を行い、骨髄炎にならずに良好な結果を得ています。また、すでに骨髄炎や顎骨壊死となった患者さんに対しても、外来通院で抗菌薬などの薬物療法や洗浄処置を行い、患者さんが口から食事をきちんと摂取できるようにしています。
 もともと、顎骨骨髄炎は薬剤と関係のない骨髄炎の方が圧倒的に多く、虫歯や歯周病を放置した20歳代の若い患者さんのなかにも、すでに骨髄炎になっている人もいます。また、合わない義歯を使用して骨髄炎になっている患者さんもいます。顎骨骨髄炎の症状は、歯肉や顎の痛み、腫れ、しびれ、歯の浮いた感じ、歯肉からの排膿などですが、骨髄炎になってもあまり自覚症状がなく、X線写真で発見される患者さんもいます。
 このような症状のある人、がんや骨粗鬆症で骨の薬を投与されていて歯の悪い人は、かかりつけの歯科に受診して下さい。また、かかりつけの歯科がない方は、当科に電話で予約していただければ直ちに診察いたします。その際は服用している薬がわかるものを必ず持参して下さい。

歯科口腔外科 笠原和恵

病気と歯科治療

 みなさんが歯科治療を敬遠しがちなことは当然のこととは思いますが、いろいろな病気や飲んでいる薬のため歯科医院を受診することを避けている方がいらっしゃるかと思います。ここでは病気のためお薬を飲んでいる方や歯医者の治療に恐怖心が強い方への当科での治療をご説明します。

 いろいろなご病気のためお薬を飲んでいる方が多いとは思います。当科では、当院のみならず他院の内科や他のいろいろな先生と連携をとり、全身状態を確認し飲んでいるお薬を調べた上で歯科治療を行っております。歯科治療の中で、皆さんが一番嫌な処置は抜歯や骨を削ったりする観血的処置だと思います。観血的処置を行う場合には特に注意が必要です。例をあげますと、糖尿病が非常に悪い方は傷口の治りがわるかったり、血圧が高い方は麻酔などでさらに血圧が上がったりといろいろ起きる可能性があります。こういう場合にはしっかりと準備を行わないといけません。たとえば血圧が高く麻酔の注射が心配な方は鎮静法という方法を使い抜歯を行います。鎮静法は点滴で鎮静剤を投与し、眠った状態で抜歯を行います。こうすることで血圧や余計なストレスを感じないで観血的処置が可能となりますが、入院が必要となります。また脳梗塞や狭心症などで血をさらさらにするお薬を飲んでいる方などは、基本的にお薬を続けたままでいろいろな止血方法を準備して抜歯や処置を行っております。

 特に病気等がなくても、観血的処置などに対して恐怖心が強い方にも鎮静法は有効です。恐怖心が強くストレスが大きい中で無理に処置を行いますと、ショックを起こす可能性があります。さらに鎮静法でも恐怖心が強いような方には全身麻酔で抜歯をおこなうこともしております。

 またかかりつけの歯科医院とも連携を行っておりますので、抜歯を当科で行い、抜歯した傷がなおったらかかりつけ歯科の先生のもとで歯周病治療や義歯の作製を行うといった協力関係を築いております。歯科治療のみならずいろいろな症例に対して大学やその他医療機関と連携をとっておりますので、口腔内の心配事やトラブルがありましたらまずはお電話ください。

歯科口腔外科 長峯杏介

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