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北海道岩見沢市4条東16丁目5番地
診療科・部門
口腔外科・顎顔面外科

口腔外科・顎顔面外科は、口腔・顔面・顎に対してより専門的な外科処置を行う診療科です。また、近年の高齢化社会や多様化する病態に対応するため、関連学会へ参加し、常に最新の知識を習得し、診療に生かしております。また、臨床だけではなく、学会発表・論文発表も積極的に行い、日々口腔外科を研鑽しています。
本診療科は、日本口腔外科学会研修施設に認定されており、口腔外科の専門家である口腔外科学会専門医の育成も可能となっています。

それでは「口腔外科」は何を専門としているのか、どのような治療を行っているのかについて、説明していきます。

抜歯術・親知らずなどの埋伏歯の抜歯術

口腔外科の主な仕事の一つが、歯の抜歯です。歯の抜歯に関しては、口腔外科のスペシャリストとして、体の負担や侵襲が少なくなるように常に考えて行っています。特におやしらずの抜歯は、口腔外科では最も多い手術の一つで、症例数が多いため経験が豊富です。

抜歯は定型的な手術ですが、抜歯を行う際にして3つの方法を説明しております。

  • 外来での局所麻酔での抜歯:入院が必要なく、外来で抜歯を行います。大抵の抜歯はこの麻酔で十分ですが、恐怖心がある方や、多数の抜歯を一度に行い侵襲が大きくなる方などは、向かないことがあります。
  • うとうとしながらの抜歯(静脈内鎮静法):入院が必要になりますが、睡眠薬を静脈から投与し、うとうとしながら抜歯を行うことができます。多数歯の抜歯やおやしらずの抜歯などで侵襲がやや大きく、局所麻酔だけでは辛そうな際に提案しております。また、恐怖心が強い方や、不安な方にも向いています。
  • 全身麻酔での抜歯:侵襲が大きい場合、時間がかかる歯や痛みが引き起こされそうな歯(神経に近いなど)の場合に選択します。記憶が全くなく、術中に痛みを感じることがないため、患者さんは楽です。入院が必要です。
    どの方法が一番、患者さんに合っているか考えて、治療をすすめて行きます。
抜歯について
  • 抜歯埋伏していない歯の抜歯:基本的には簡単な抜歯がほとんどです。根が歯肉より下にある場合、根が脆い場合、根が広く分岐している場合は少し工夫が必要になります。なるべくご自身の骨を削らず、必要に応じて歯を分割して、負担が少ないように気を配り抜歯を行っています。
  • 親知らずのように埋伏している歯の抜歯:骨に埋まっている程度にもよりますが、粘膜の切開・顎の骨の削除・歯の分割が必要なことが多くあります。できる限り体の負担を減らすように、最小限の範囲で粘膜の切開や骨の削除を心掛けておりますが、術後に大きく腫脹することがあります。
高齢者・有病者に対する抜歯や歯科治療

全身疾患をお持ちの患者さん、血液さらさらの薬や骨粗鬆症の薬を内服している患者さん、医科で癌などの治療を受けている患者さんらに対して、抜歯などの外科処置などを行っております。口腔外科専門医として、なるべく体の負担が少なくなるように工夫し、医科担当医と相談しつつ行っております。入院患者さんに対しては、歯科治療も行い、入院中に口腔の状態が悪くならないように管理します。退院後は、かかりつけ歯科医院と連携(逆紹介)しつつ、口腔内の管理を行っております。

口腔外科に行ったら、なんでも抜歯される?

口腔外科といっても歯医者です。できる限り歯を残すために、常に考えながら診療しています。虫歯などで根に病気ができ、根の治療で治癒せしめられない時は、外科的に解決できることがあります。

歯根端切除術

根の治療がうまくいかない歯や根の周囲に大きな病変がある患者さんに対して、根の横の骨を削除して病変を除去する手術です。根の治療で除去できない汚れや病変があっても、歯を残すことができます。冠が被っている歯は、冠を外す場合と外さない場合があります。但し、歯の状態が悪い場合は、術後に抜歯が必要になることがあります。

歯の再植術

根の治療がうまくいかない歯などに対して、一度抜歯をして、根の先の病変を除去し、口腔外で根の治療を終わらせ、抜いた穴に戻す方法です。歯根端切除術と同様に、根の治療で除去できない汚れや病変があっても、歯を残すことができます。但し、歯の状態が悪い場合は、術後抜歯が必要になることがあります。

歯の移植術

実はおやしらずは邪魔な存在だけではありません。なんと、移植ができるのです。
おやしらずや埋伏している歯を、ダメになり抜歯した歯の穴に移植する手術です。ダメな歯を抜歯して、おやしらずをなるべく傷つけないように抜歯します。抜歯後、ダメな歯を抜いた穴の形をおやしらずの根の形に合わせて削り、移植します。移植した歯は、動揺するため、周囲の歯と固定します。術後、根の治療を行い(根ができていない若い患者さんは不要なこともあります)、最終的には咬合できるようにします。うまく咬むことができるようになれば、周囲の歯を削ってブリッジにする必要がなくなったり、義歯にする必要がなくなったりします。下のインプラントの項も読んでみて下さい。

口腔インプラント

歯の欠損に対して、健康保険では「ブリッジ:周囲の歯を削り、橋を架ける」か「義歯」か「移植術」の選択ができます。「ブリッジ」は周囲の歯を削るリスクがあり、「義歯」は取り外さなければならなかったり、見た目(バネがみえる)悪かったりするかもしれません。「移植術」は適合するおやしらずが良い状態で残っていなければなりません。

これら以外の方法にインプラント治療があります。

インプラントは人工の歯根(チタンなどの金属)を顎骨に埋入し、その根に歯となる物をくっつけて咬合させます。土台となる骨が足りない場合は、骨を造成する必要がありますので、模型やCTなどで精査して計画を立てます。10年間で9割以上の成功率を誇る治療として世間に知られており、実績もある治療法です。健康保険はききませんが、歯を削らずにかみ合わせを作製できる点や、歯がなくてもインプラントによってかみ合わせを造ることができる点が最大のメリットです。とても生体に適合する材料ではありますが、インプラントの健康のためには、術後管理、メインテナンスと口腔管理が非常に重要になります。口腔環境が悪いと、インプラント周囲の骨が溶ける歯周炎のような状態になります。

顎骨嚢胞・腫瘍

顎の骨にできる嚢胞や腫瘍にはいくつかの種類があります。大きくなるものや再発しやすいものなど様々です。これらの病気に対しての治療法には以下のものがあります。

開窓術 嚢胞や腫瘍が大きい場合、一度嚢胞や腫瘍に穴を開けて、減圧・縮小を図る方法です。開窓術により、嚢胞や腫瘍のサイズが小さくなり、神経などの大切な器官を保護することができる場合があります。また、嚢胞の病理検査も行うことができます。
摘出術 開窓術後または小さい病変に対して行います。病変を摘出した後、再発しやすい病変に対しては、摘出部の骨を削ることもあります。
反復処置 大きい病変や再発しやすい病変の場合、顎の骨を造る目的や再発率を低下させる目的で、摘出した部位にできた組織と新しい骨を除去する方法です。顎骨腫瘍(エナメル上皮腫)や顎骨嚢胞(歯原性角化嚢胞)などの再発しやすい病変の場合に適応します。数回の手術が必要になることがありますが、自分の顎の骨を温存することができます。
顎骨切除 反復処置で治せない病変などでは、顎の骨を病変ごと切離することがあります。完全に顎の骨の連続性がなくなる場合は、金属プレートや他の骨で再建する必要があります。
前癌病変・前癌状態

癌になるとされる前癌病変や前癌状態の病変の診療を行っております。

白板症 前癌病変とされ、歯肉や舌などの粘膜が白色の板のようにみえる病変です。4.4~17.5%程度で癌になるとされています。切除が必要な病変、そうではなく経過観察のみでよい病変などを判断します。必要に応じて、病理検査を行って、それらを確認することもあります。
紅板症 前癌病変とされ、歯肉や舌などが真っ赤な斑にみえる病変です。半分程度が癌化すると言われており、すでに癌になっている場合もあります。
扁平苔癬 前癌状態とされ、歯肉や舌などの粘膜にレース用の角化や赤く剥けた病変が混在します。この病変も0.4~6%程度で癌化すると言われております。食事でひりひりしたり、症状が消えたり出たりを繰り返します。局所の炎症、免疫の反応、金属アレルギーなどが原因となるとされています。原因が不明な扁平苔癬では、治療は主に対症療法(ステロイド軟膏、アズノール含嗽など)となります。

これらの疾患が必ずしも癌化するとは限りませんが、可能性がありますので、定期的な受診が必要です。癌かどうか心配な方は、ご相談下さい。

悪性腫瘍

口腔内にできる癌(舌、歯肉など)に関しては、当科のみで治療ができる場合と他専門機関と連携して治療を行う場合があります。CTやMRIなどの検査を行い、癌の範囲を確認し、判断します。また、全身に転移がないかどうか、PET検査を行います(他院に依頼)。癌の治療には大きく分けて、手術療法、放射線療法、化学療法があり、これらを組み合わせて行うこともあります。

唾液腺疾患
粘液嚢胞 唾液腺機能せず、感染を繰り返す場合は唾液腺の摘出術が必要になります。
唾石症
  • 唾石摘出術:唾液腺やその管に石(唾石)ができて、つまる病気です。食事などの際に顎が腫れたりします。感染すると、腫れて顎が開かなくなることがあります。唾石の手術は、唾石のある場所によって、局所麻酔でできる場合と全身麻酔が必要な場合があります。
  • 唾液腺摘出術:唾液腺機能せず、感染を繰り返す場合は唾液腺の摘出術が必要になります。
顎関節症

顎の付け根にある関節を顎関節といいます。また、顎を動かす筋肉が痛くなる場合もあります。口を開けたり、閉めたりする際の症状を緩和するために鎮痛剤の処方、顎関節の洗浄療法などを行っております。また、筋肉の疼痛が強い場合などには、スプリント(マウスピース)での治療も行います。顎関節が癒着している場合や関節の形態が悪い場合は、関節の手術が必要になることがあります。

顎関節脱臼

顎関節が過剰に運動し、戻らなくなった状態を指します。脱臼してすぐであれば、簡単に整復ができますが、時間が経ってしまった場合は手術が必要なことがあります。また、いつも脱臼してしまい困っている場合も、顎関節などの手術が必要になることがあります。

当科では、外傷に対する診療もしております。

歯の外傷
  • 歯をぶつけて、歯が脱臼したり、歯がかけてしまったりした場合、歯を元に戻して(整復)周囲の歯と固定します。大人の場合で神経が生きていた歯の場合、神経が失活(壊死)してしまうことがあり、根の治療が必要になることがあります。
  • 子供でも整復ができる乳歯や整復した方がよい乳歯は、抜かずに整復しております。低年齢児の場合は、歯の固定が難しいことや協力が得られにくいことがありますが、スタッフと協力しながら、行っております。
顎骨骨折・頬骨骨折

顎顔面の骨折の治療は、かみ合わせを戻すことが重要になります。骨折によってかみ合わせが合わなくなっている場合は、歯に金属のワイヤーを付け、上下のかみ合わせをなるべく併せてから、手術をします。手術の際は、そのかみ合わせが合うように、上下の歯を併せて金属で縛ってから、骨折部を整復し、プレートで固定します。術後、必要に応じて、整復した金属プレートの抜去が必要になります。

学会・研究活動

2019年4月〜

学会発表
  1. 格口 渉, 他:Suraminはcell cycleに関連するmRNAの発現を低下させ, 舌癌細胞の増殖を抑制する, 第64回日本口腔外科学会総会・学術大会, 札幌, 2019年10月25日.(演題番号NP2-2)
  2. 中道祥之, 格口渉:天性フィブリノーゲン欠乏症患者に対し,多数歯抜歯を施行した1例, 第74回NPO法人日本口腔科学会学術集会, 新潟, 2020年4月17日(演題番号2-C1-1)
論文発表

Wataru Kakuguchi, et al:Application of the dredging method in a case of recurrent ameloblastoma that had spread over a large region of the mandible. J Oral Maxillofac Surg Med Pathol 2020; 32(1), 44-48.

授賞

格口 渉:第64回日本口腔外科学会総会・学術大会, 優秀ポスター発表賞, 2019年10月27日.

講演

格口 渉:骨吸収抑制薬関連性顎骨壊死(ARONJ), 岩見沢歯科医師会学術講演会, 岩見沢生涯学習センターいわなび, 2019年11月15日.
格口 渉:顎が腐る病気のお話, 岩見沢市健康ポイント事業対象講座いわなび健康講座VOL.20, 岩見沢生涯学習センターいわなび, 2019年11月16日.

文責

日本口腔外科学会認定医・専門医・指導医
日本口腔科学会認定医 口腔外科・顎顔面外科部長 格口 渉

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口腔外科・顎顔面外科医師一覧
口腔外科・顎顔面外科

格口 渉/Wataru Kakuguchi

専門分野

歯科・口腔外科・顎顔面外科

出身校

北海道大学(平成18年卒)

専門医・認定医等

日本口腔外科学会認定医・専門医・指導医
日本口腔科学会・認定医
歯学博士

所属学会

日本口腔外科学会
日本口腔科学会
日本口腔診断学会
日本口腔インプラント学会
日本癌学会
日本口腔腫瘍学会
日本顎関節学会
アジア口腔顎顔面外科学会