独立行政法人労働者健康安全機構  北海道中央労災病院

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  • 北海道岩見沢市4条東16丁目5番地

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各部門の紹介

外科

特色

北海道中央労災病院外科 基本診療方針

北海道中央労災病院の外科は6名の外科医師、北海道大学消化器外科分野Ⅱ、循環器・呼吸器外科からの派遣医にて診療を行っております。
平成28年度は年間444例の手術に対応いたしましたが、地域で求められております総合外科の立場を理解し、外傷から癌診療まで幅広く各領域の外科専門診療を提供しております。

基本診療方針は

1.各疾患のガイドラインに準拠した基本的診療計画の作成

2.安全・確実で、かつQOLを重視した手術・処置法の選択

3.主治医とスタッフ全員によるチーム診療体制の確立

4.患者家族へのインフォームドコンセントを重視した日常診療

5.疾患の性質や緊急度に応じた柔軟な手術日程調整

6.ストーマ外来、呼吸器外科外来、血管外来などの専門外来の設置

7.救急診療に即応する24時間緊急手術可能な待機態勢

であります。

消化器疾患、呼吸器疾患の基本手術術式は鏡視下手術を基本としており、ヘルニア、虫垂炎、胆囊結石などの良性疾患はもちろん、肺癌、胃癌、大腸癌も基本診療方針に準拠し鏡視下手術を消化器外科専門医のもと行っております。
また総合外科の立場から癌手術後の化学療法、緩和医療にも認定看護師と共にチーム医療に取り組み当該地域での医療により貢献したいと考えております。
血管外科、呼吸器外科は南空知で唯一の標榜にて学会専門医の診療を行っております。診療要請はもちろんですがセカンドオピニオンなども含め気軽に当院外科外来、地域医療連携室にご連絡ください。


外科部長
鈴木 雅行

診療内容

当院外科の診療範囲は

・食道から肛門までの消化管疾患、へルニア(脱腸)

・肝・胆・膵疾患、甲状腺・乳腺疾患

・肺・縦隔疾患

・動脈・静脈の循環器疾患

と多岐にわたっております。

消化管疾患では主に癌治療を中心に行っており、従来の開腹・開胸手術はもとより、食道・大腸・胃などに胸腔鏡・腹腔鏡を 用いた手術を導入しました。さらに成人の鼡径部のヘルニア(脱腸)や急性虫垂炎に対しても腹腔鏡下に治療する低侵襲手術を導入しています。

肝・胆・膵疾患では腹腔鏡下の胆嚢・総胆管結石手術のような良性疾患対する低侵襲手術から、肝切除・膵頭十二指腸切 除のような治療の困難な癌に対する拡大手術まで手がけています。 特に手術の難しい症例に関しては北海道大学消化器外科Ⅱとのタイアップにより、血管の合併切除・再建などの血管外科を応用した手術なども行っております。さら には、癌治療において集学的治療の一環として、胃癌・大腸癌・胆膵領域の癌や乳癌に対して、化学療法(抗癌剤治療)も積極的に行っています。従来は入院し ての抗癌剤投与が中心でしたが、現在は外来化学療法室を設け、外来で抗癌剤を投与する方法も適宜行っています。

肺疾患では胸腔鏡を用いた傷の小さい手術を導入する一方、当院の特徴でもある政策医療としてのじん肺関連疾患(癌・ 気胸など)に対する手術や肺機能の低下した症例に対する手術も積極的に行っています。

血管疾患領域は南空知地区では唯一、心臓血管外科専門医が常勤しており、血管内治療(カテーテル治療)と手術の両方 ができる病院です。血管内治療は1994年10月にバルーン血管形成術を初めて実施、1997年7月にはステントの留置を初めて行い、血管内治療にも長い 実績があります。

治療を行っている疾患は、主に腹部大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症(ASO・PAD)、下肢静脈瘤等ですが、その他のまれな血管の疾患に対しても治療を行っています。最近では、バイパス手術より、体に優しい血管内治療の数が多くなっていますが、それぞれ利点・欠点があり個 々の患者さんに最適な治療法を選択しています。また、人工心肺が必要な心臓の手術、胸部の大動脈癌手術等については北大病院と連携して検査・治療を行ってい ます。

消化器・呼吸器・血管疾患に関する外科的治療に関しては、検査・治療法などいつでもご相談をお受けいたしますので、 気軽にお立ち寄りください。

実績

平成28年4月から平成29年3月までの1年間の中央手術室での手術症例は444例でした。

具体的には
・全身麻酔手術が約323例
・腰椎麻酔(下半身麻酔)手術が約10例
・局所麻酔手術が約111例 でした。

臓器別の手術

臓器別 うち癌の手術 胸腔鏡・腹腔鏡手術
消化器疾患
総数 318例 
胃・十二指腸手術 18例 18例 8例
小腸手術 11例 3例
虫垂炎手術 15例 13例
結腸・直腸・肛門手術 64例 42例 55例
肝臓・胆道・膵臓手術 49例 1例 45例
ヘルニア手術 51例 43例
呼吸器疾患 40例 22例 29例
血液疾患
総数 93例
動脈手術  7例
下肢静脈瘤手術 86例
乳腺・甲状腺疾患 23例 14例
体表の手術 86例

今後も積み重ねた症例から学び取ったことを還元すべく、日々の診療に当たっていきたいと考えています。

腹腔鏡手術について

当院では、腹腔内の病変に対して積極的に腹腔鏡手術を行っています。

1腹腔鏡手術とは

腹腔鏡手術とは、大きくおなかを切り開かないままで腹腔鏡(ふくくうきょう)と呼ばれるカメラ(電子スコープ)を使用して、おなかの中の様子をテレビモニター画面に映し出し、いくつかの小さな穴をおなかに開けて、おなかの外で棒状の器具を操作しておこなう手術です。従来、外科医はおなかを大きく切り開いて手術治療をおこなってきましたが、1990年に、胆石症患者さんに対して胆のうを摘出する手術が、腹腔鏡手術でおなかを切らずにおこなわれて以来、日本中に腹腔鏡下胆のう摘出術が拡がり、この20年間で腹腔鏡手術はさまざまな病気(消化器一般外科では 胃癌や大腸癌、虫垂炎や鼡径ヘルニアなど)の外科手術で行われるようになりました。その後、腹腔鏡手術は確実に発展し、日本内視鏡外科学会のアンケート調査によると2005年には全国で35000件以上、2010年には60000件以上の腹腔鏡による消化器外科手術が行われています。現在では、病気によっては臍の創のみで手術を行う方法(単孔式手術)も開発されています。

2腹腔鏡手術の利点(開腹手術と比べて)

1.おなかを大きく切らないことから、患者さんの手術後の痛みが非常に少ないことがもっとも大きな長所です。
2.手術中、胃や腸に長時間さわらないことや空気に長時間触れさせないことで、手術後の胃や腸の動きの回復が早く、開腹手術に比べ若干早くから食事が開始できます。
3.痛みが少なく、早くから歩くことができます。がんの手術をしても手術の翌日にはトイレまで一人で歩くことができます。
このように術後の回復が早いことから、手術後に肺炎になる危険性も低く、普通の日常生活や一般的な仕事などへの社会復帰も早くから可能となります。施設によっては、腹腔鏡下胆のう摘出術では、2日目。鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸)の手術では翌日退院という所もありますが、当院では、これらの手術でも急いだ退院を勧めてはおらず、4~7日で、普段の日常生活に戻るようにしています。
4.手術後の傷跡は非常に小さく5~15㎜位です。しかも一つはお臍に隠れるような傷で、数年後には傷跡はほとんどわからなくなってしまいます。また、創が小さいことから、手術後の腸の癒着による腸閉塞を起こす率も低くなります。
5.ビデオの映像が精密になっており、拡大視や肉眼で見る以上の詳細な映像が得られるようになり、開腹手術以上の緻密な手術が可能となってきました。

3腹腔鏡手術の欠点

1.手術に高度な技術が必要となることです。開腹手術のように医師の指などで臓器に実際に触れることができないことや特殊な手術道具を使わなければならないなどの難しさがあります。したがって施設によって対応可能な疾患が制限される場合があります。
2.細かい丁寧な手術操作のために手術時間が開腹手術に比べて長くなります。腹腔鏡手術での技術的な進歩、機器・画像の開発などによって、手術時間はどんどん短縮されてはいます。

4 腹腔鏡手術が行われる疾患

現在当院でおこなわれている消化器外科における腹腔鏡下手術は以下の通りです。

  • 胃がん・胃腫瘍手術(胃切除術、胃全摘出術)
  • 大腸(結腸・直腸)がん・大腸腫瘍手術(大腸切除術、大腸全摘出術)
  • 胆のう摘出術(胆石症・胆のうポリープの手術)
  • 虫垂炎手術(いわゆる盲腸)
  • 鼠径ヘルニア修復術(いわゆる脱腸)
  • 腹壁ヘルニア手術(手術の傷跡の脱腸)
  • 腸閉塞症手術
  • 胃・十二指腸潰瘍穿孔性腹膜炎手術
  • 総胆管結石症手術
  • 脾臓摘出術
  • 小腸腫瘍手術

太字は第一選択で腹腔鏡手術が行われ得るものですが、病状や患者さんの状態によっては、いたずらに腹腔鏡手術を勧めるのではなく、開腹手術を選択することがあります。
        過去10年間の当院の腹部消化器開腹手術と腹腔鏡手術
腹腔鏡下胆嚢摘出術と腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復術

当院での腹腔鏡手術は胃癌や大腸癌にも行われていますが、その説明は他稿に譲り、良性疾患の代表手術である胆嚢摘出術と鼡径ヘルニア手術のお話をします。

腹腔鏡下胆嚢摘出術

腹腔鏡下胆嚢手術はお臍を約1.5cm切りそこから腹腔鏡をお腹の中に入れ、みぞおちと右側の肋骨の下に2個所の合計3個所(場合によっては2箇所)の1㎝以下の傷から細長い鉗子を使って胆嚢を取り出す手術です。

胆石症に対する腹腔鏡下胆嚢手術は本邦では1990年に開始され、現在では標準的な手術方法となっており、当院では胆嚢摘出術のほぼ100%はこの方法で開始しています。平成25年度は57例中全例が腹腔鏡手術でした。
手術時間は胆嚢の状態にもよりますが1時間程度です。
適応疾患は、胆のう結石、胆のうポリープ、胆のう炎、胆のう腺筋症などの良性胆のう疾患です。特に急性胆のう炎は、発症から早期に適切な治療を行わなければ、重篤となり治療期間も長くなる病態です。ガイドラインでも急性胆のう炎の治療は「早期の腹腔鏡下胆のう摘出術」を推奨しています。当院では、急性胆のう炎症例においては早期の腹腔鏡下胆のう摘出術を可能な限り治療の第一選択としています。手術までの期間や在院期間は著しく短縮し、身体的・経済的負担も著しく軽減することができます。
ただし、高度な炎症や周囲臓器との癒着、術中の胆管損傷、出血などの理由で開腹手術に移行する場合や一時的に胆嚢内に管を入れて炎症を治めてから手術に移行する場合があります。
入院期間は手術の曜日にもよりますが、手術の1~2日前に入院して、手術後は4~7日で退院の予定としています。

腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復術(TAPP法)

鼡径ヘルニアの手術にはヘルニアの直上に切開を加え、外側から直す前方アプローチ(従来の手術)と腹腔鏡を用いてお腹の中から直す方法があります。腹腔鏡手術を積極的に行っている施設はまだ少数派かもしれません。平成25年度は鼡径ヘルニア手術56例中40例に腹腔鏡下修復術を施行しました。
腹腔鏡下鼡径ヘルニア修復術にはTAPP法というものとTEP法というものがありますが、当院ではTAPP法を行っています。お臍と両側腹部に2箇所の合計3か所の小さい傷からカメラと鉗子を挿入し、腸の飛び出す穴を確認して、腹膜と筋肉の間、腹膜の外側にポリプロピレン製の補強材、メッシュを固定して、ヘルニアの穴をふさぎます。腹腔内から観察するため、ヘルニアの診断が容易であり、症状のない反対側のヘルニアも診断が可能です。当院の経験では約20%に症状のない反対側のヘルニアが見つかっています。腹腔鏡手術では鼡径部のヘルニアになりやすい部分(内鼡径ヘルニア、外鼡径ヘルニア、大腿ヘルニア、外側三角部、閉鎖管部)を1枚のメッシュで全てしっかりと覆うことができる手術です。

TAPP法の利点は、創が小さく美容的であり、術後早期の疼痛が軽減します。また従来の手術に多かった局所のツッパリ感も軽減させることができます。それゆえ、術後早期の社会復帰が可能です。また、先にも書きましたが、複雑なヘルニア(合併する複数のヘルニア、反対側のヘルニア)の診断が容易で、両側ヘルニアでも同一創での手術が可能です。  TAPP法の短所は、必ず、全身麻酔で行う必要があることです(全身麻酔が危険ということではありません)が、当院では麻酔科が安全に全身麻酔をかけてくれますので、心配ありません。それに加え、手術時間が1時間弱かかり、従来の方法と比較すると、多少長くかかります。

入院期間は当院では手術前日に入院していただき、術後5日入院を原則としています。


外科 伊藤 清高

外科医師一覧

副院長 鈴木 雅行 / Takayuki Suzuki
専門分野 消化器・一般外科
出身校 北海道大学(昭和56年卒)

専門医・認定医等

日本外科学会専門医
日本外科学会指導医
日本医師会認定産業医
日本職業・災害医学会評議員

所属学会

日本外科学会
日本呼吸器外科学会
日本内視鏡外科学会
日本消化器外科学会
日本肺癌学会
日本臨床外科学会
日本腹部救急医学会
日本乳癌医学会
日本職業・災害医学会 

第二外科部長 伊藤 清高 / Kiyotaka Ito
専門分野 消化器・一般外科
出身校 北海道大学(昭和62年卒)

専門医・認定医等

日本外科学会専門医
日本外科学会指導医
日本消化器外科学会認定医
日本消化器外科学会専門医
日本消化器外科学会指導医
日本消化器病学会専門医
日本消化器病学会指導医
消化器がん外科治療認定医
日本胸部外科学会認定医
がん治療認定医
がん治療暫定教育医
医学博士
日本医師会認定産業医 

 

所属学会

日本外科学会
日本消化器外科学会
日本消化器病学会
日本内視鏡外科学会
日本臨床外科学会
日本肝胆膵外科学会
日本胸部外科学会
日本呼吸器外科学会
日本腹部救急医学会
日本乳癌学会
日本職業・災害医学会

第三外科部長 菊地 健 / Takeshi Kikuchi
専門分野 消化器・一般外科
出身校 秋田大学(平成5年卒)

専門医・認定医等

 日本外科学会外科認定医・専門医
 日本胸部外科学会胸部外科認定医
 検診マンモグラフィー読影認定医

 

所属学会

 日本外科学会
 日本臨床外科学会
 日本臨床外科学会
 日本呼吸器外科学会
 日本肺癌学会
 日本胸部救急学会
 日本消化器外科学会


第四外科部長 飯塚 幹也 / Mikiya Iizuka
専門分野 呼吸器外科
出身校 金沢医科大学(平成6年卒)

専門医・認定医等

日本外科学会専門医

 

所属学会

日本外科学会
日本肺癌学会
日本呼吸器外科学会 
日本胸部外科学会
日本内視鏡外科学会
日本救急医学会
日本消化器外科学会
日本消化器病学会
日本緩和医療学会

血管外科部長 江屋 一洋 / Kazuhiro Eya
専門分野 心臓血管外科
出身校 北海道大学(平成元年卒)

専門医・認定医等

日本外科学会専門医
日本心臓血管外科学会専門医

所属学会

日本外科学会
日本心臓血管外科学会
日本胸部外科学会
日本血管外科学会
日本冠動脈外科学会
日本人工臓器学会
日本集中治療学会

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